つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

東京

矢野絢子

矢野さんは京言葉のような喋り方で話すので驚いた。今日はようこそ矢野絢子ライブツアー2004。ひやいひやいに。お越しくださいました。今日は。最後まで、ごゆっくり。「立って」。お楽しみください。 足が疲れた方は、地べたに座り込んでくださって結構です…

代々木公園

家に帰らないインドア派であるわたし。先週池尻大橋で酒を飲みながら神戸牛を食べていたら、気がつくと写真が趣味になっていた。 もっと好きじゃないと趣味って呼んじゃいけない気がして、読書ですら趣味と言うたびに罪悪感を感じている。サガンに嘲笑されそ…

駒込

北上すると横一線に谷が走っている。道路はまっすぐ伸びて谷をまたぐ。谷間には線路があり、谷をまたぐ橋の横に駅がある。駅前には小さなロータリーがあり、ファストフードとチェーンの居酒屋。 巣鴨駅前とそっくりだ。ケンタッキーを食べ、幻想水滸伝Ⅳにと…

神田ふれあい橋

東京で好きな橋は何と聞かれたら、神田川を渡る歩道橋の名を挙げる。聞かれることはないことくらい知っているけど。 細い歩道の橋は折れ曲がっていて華奢。真横には首都高速道路が走っていて、陰になりがちな橋は小ささを際立たせる。渡っているのは所詮神田…

東京タワー遠景

東京タワーの全景を見るのは難しい。一つは周りにさまざまなビルが立ち並んでいること。遠くの小さな東京タワーは近くの大きなビルの影にたやすく隠れてしまう。 もう一つは東京タワーが大きすぎること。ビルが邪魔にならないくらい近づくと、人間の視野から…

皇居一周

皇居の周りを走るなんて、何かが突き抜けてしまった健康マニアの人がやることだという偏見を持っていた。その偏見が正しいかどうかはわからないまま、僕も皇居の周りを走る人になる。今日から走らないと無理に決まってるだろ! ペースも何もわからないので、…

雨の夜の秋葉原

何回も言っていることだが秋葉原が美しいのは雨の夜だ。渋谷よりも新宿よりも店からの光が強くて豊富なこの街は、雨の日には光の海と化す。今日は地面が水浸しなのはもちろん、地上も無数の雨粒に包まれているから滝壷のように光が乱反射する。 初めて秋葉原…

コンテナ・グラウンド

新橋駅前で待ち合わせ。悪態を付きながらジャニーズの歌を大音量で歌っている男がいる。素敵なBGM。慣れさえすれば。 極めて不親切な東京デザイナーズウィークのガイドブックのおかげで何とか会場にたどりつくことはできたが、僕たちの努力が足りなかったた…

スウェーデン大使館

赤坂アークヒルズで椅子の展示を見る。実用性がない。日常生活に不便というのもあるけれど、そもそも生活になじまないのではないか。猫を飾るとかならともかく、人間を座らせたら人間が汚く見えてしょうがないよね。勝手なことを思いながらうろうろする。そ…

東京デザイナーズウィーク

森美術館は大混雑でも申し込み窓口にすら近づけなかった。わざわざ並ぶのも嫌なので少しうろうろする。何か違和感がある。ひょっとして。東京デザイナーズウィークが始まっている? 今年もぶ厚い無料ガイドブックは表紙がフルカラー。ガイドブック以前にもっ…

新宿都庁北展望室

渋谷に寄ったらTSUTAYAは大混雑。まだ昼もちょっと過ぎたくらいの時間なのに。まあ当然といえば当然だ。家にいるなら僕もビデオを借りるさ。そして帰る気もないのにビデオを借りる僕。壊しませんように。 東京でやっている2つのピカソ展のうちパッとしない方…

交通博物館

ポストに大量に投げ込まれていたベローチェの割引券を有効活用して、今日も朝からお勉強。飽きたらずっと行こうと思っていた交通博物館へ行くつもり。ものすごく近所なのに。無料券も持っているのに。本気で行こうと思ってから1ヶ月近く経っている。 秋葉原…

丸の内オアゾ

家に帰っていたりもして、気がつくと昼になっていた。ふらりと外に出かけた。 頭がぼんやりしているのに人があふれている本屋に行くなんて正気の沙汰ではない。本一冊一冊をじっくり見ようという気も起きないのに、ぱっと見で全体を把握してしまいたいなんて…

池袋西口公園

飲み会なのに池袋西口で待ち合わせ。ウエストゲートパークがあるから西口の方が繁華街なのだと勘違いしているのではないか、と予測した。 外れるわけがない予測は当たる。でもなんとか西口の居酒屋を確保して、予約の時間までそのウエストゲートパークを見に…

聖路加ガーデン

昔から名前が好きだった。一方通行と右折禁止と歩行者天国をくぐり抜け、東京湾に近づいていくと巨大なビル群が見えてくる。 休日の高層ビルの中は人影もなく、差し込む日差しに風化されてしまいそうだ。普通のエレベーターで昇ると普通の46階に着く。普通の…

光が丘公園

都営新宿線で新宿まで運ばれて、大江戸線で終点へ。急がなくちゃ。今日はフットサルの約束があるんだった。 駅を出て公園までの広い道は、各種ファストフードとチェーン居酒屋と巨大なセゾングループのスーパー。ハーゲンダッツもあるし和民もサイゼリヤもあ…

国立近代美術館 琳派展

琳派の流れとしてクリムトとかも参考展示しちゃうよ、なんて触れ込み。著名な画家の権威を借りる、と来場者の幅を広げる、の二つの意味で客寄せ。けれどそれで多くの人が美術品に触れる機会があるならいいこと。大体テーマが何であろうとどうせ自分が見たい…

秋葉原のドンキホーテ

東京に帰ってきたら、燃えたヤマギワソフトが復活していた。それはいいとして、ドンキホーテがオープンしていた。おいおいうちから一番近いスーパーだよ。スーパーじゃないけど。 通路が広くてまるでドンキホーテじゃないかのようだ。快適。夜間人口がほとん…

丸の内地下駐車場

満たされたお腹を抱え、自転車で丸ビルに向かう。だんだん空が曇ってきた。降水確率は20%なのに。ふと、アスファルトに黒い水の染みがいくつかできる。それは天の照準。その照準目掛けて、大粒の雨が襲い掛かる。土砂が降るように。 冷たい前に痛い。雨宿り…

六本木ヒルズ大展望台

大きくなったお腹をさすりつつ向かいの東急本店の中へ入っていく。せっかくだからBUNKAMURAで開催中のグッゲンハイム美術館展も見ていこうと思って。 2時間後六本木ヒルズへ向かってなんとなく歩いている。晩年に超抽象画法を完成させてしまったモンドリアン…

代々木第一体育館

東京は大好きだがスポーツに関心のかけらもない僕にとって、東京オリンピックの意義とは首都高が作られたことにある。ちなみにほとんどテレビは見ないし東海道新幹線には乗らないので、これらの発展や建設は主観的にはどうでもいい。 しかしスポーツに関心が…

町田

13時に本郷で元同居人たちと写真撮影。その後町田に行く。今日の僕は一段と必然性に乏しいよ。 そんなこんなで初めて町田に来た。空中都市だった。ジッグラドのように立ち並ぶ丸井に小田急、LUMINEにHANDS。その間に真っ直ぐに伸びた空中歩道。なんて近代的…

新宿東口

大道芸人に混じって民主党がマニフェストを配っていた。笑いはするけれど無力だねえ僕らも。民主主義が民意を反映しないことを証明した本は何だったっけか。 単独行動が多すぎるので、たまに人が一緒だと以前から気になっていた店に入ることしか考えない。珈…

皇居東御苑

都会は緑が少ない。ただし東京は除く。 バルトがいうところの「空虚な中心」。高村薫はインタビューで大阪と東京の違いを一言で言うと?と聞かれ「皇居の有無」と答えた。誰もが普段忘れているけど、忘れていることすら忘れてしまうほど巨大な庭。うちから一…

新宿御苑大温室

とにかく暑いのが嫌いだった子供の頃と比べると、ずいぶん温室を好きになった。細い枠組みとガラス。青い空。遠くにある太陽。太陽と無関係な暑さ。見栄えよく多品種な植物たち。 新宿御苑の大温室は一目で気に入った。立体的に交差する通路とその硬くて乾い…

新宿御苑

ここはどこなんだろう。広大な芝生。どこまでも続くアスファルトの道路。森。その奥に水の気配。 でも視界の片隅には昼はスカイスクレイパー、夜はビッグベンのアイツが立っているし、振り向いて見れば防衛庁のアンテナが立っている。つまりここは市ヶ谷と新…

東京大学五月祭

今日はいい天気。絶好の学園祭日和。東京大学の構内には知らない建物が増えている。 学園祭本部の隅っこで小さくなっていたらスーツを着た先輩が現れて僕は連れ去られる。雑踏の中を先輩は真っ直ぐ歩き、気まぐれに曲がり、また真っ直ぐ進む。しゃべりながら…

巣鴨

意外なことに巣鴨に来たのは初めてだった。駅前の西友が眩しい。 おばあちゃんの原宿という使い古された表現があるが、まあ…何と言うか…確かにその通りだった。日本一の赤パンツ! 誕生月の花ショーツ! 昔ばなしの申年パンツ! 精神的に神速三段突きを食ら…

青山霊園

薄い靄のむこうには六本木ヒルズが見える。さすがに都心だけあって道路の気配がするけれど、それでも十分静かだ。遠くに音質の悪いオルガンの音がする。 葬式をやっているんだ。もう埋葬スペースなんてなくて時間の中に埋もれていっているだけだと思っていた…

ハモニカ横丁

吉祥寺の象徴と化したハモニカ横丁。朝の連続テレビ小説に出てきそうな店員の青年。学生服の男の子。受験と友達と女の子の話。「っすよ」「そっか」。青春の会話。奢ってもらった野菜カレーを黙々と食べる。ここでカレーを食べる全ての人たちに今日の日がい…