つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

丸の内オアゾ

 家に帰っていたりもして、気がつくと昼になっていた。ふらりと外に出かけた。
 頭がぼんやりしているのに人があふれている本屋に行くなんて正気の沙汰ではない。本一冊一冊をじっくり見ようという気も起きないのに、ぱっと見で全体を把握してしまいたいなんて楽をしたがる頭。もちろんそんな高等処理ができるわけもなく、頭はもっとを楽な方法をと泣き言を言い続けるばかり。このまま眠っちゃおうかな。そんなことを丸善本店の入口で考える。
 でも4階まで昇って、切らしていたボルドーブラックのペンを買うと、少しだけ体が軽くなる。具体的なことをするのはいいことだ。少しだけ余裕を持って吹き抜けを見下ろしてみよう。下にある小さい店舗から人があふれ出している。ドゥバイヨルだね。振り返って文房具コーナーを見る。レターセットがたくさんあるのが見える。ご近所の文房具屋。よく考えると、今まで渇望していたそれはここなのか。
 途中で蜷川実花の写真集を立ち読みして、1階まで降りる。丸善の外に出ると、乾いた石のタイルの感触が気持ちいい。ものすごく居心地がいいのかもしれない。少なくとも足の裏と目にとっては。
 タントマリーもある。また来よう。