つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

代々木第一体育館

 東京は大好きだがスポーツに関心のかけらもない僕にとって、東京オリンピックの意義とは首都高が作られたことにある。ちなみにほとんどテレビは見ないし東海道新幹線には乗らないので、これらの発展や建設は主観的にはどうでもいい。
 しかしスポーツに関心がなくても丹下健三の建築を無視するわけにはいかないのだった。一度は見ておくべきだった。あの灰色のプリーツが入った巨大な建築物を。壮大で、いつも雨の中にあるような大きな体育館を。
 明治神宮前駅から地上に出ると、むせ返るような人の熱波とグレープフルーツの匂い。オサレさんからコテビさんまで多くの人があふれる中、香水のプロモーションをやっている。爽やかな匂い。でも涼しくはない。
 友達とその彼女と後輩と待ち合わせをするが、トルネード竜巻を聞いたこともなかった後輩は氣志團についてもほとんど知らなかったし、友達の彼女もよく知らないのに二日連続で連れて来られたらしかったし、そして僕ですら不意に歩き出す友達に置いて行かれそうになる。もし僕が人を振り回しているとしたら、それは振り回されるのが大好きな僕の親切心の表れであることでしょう。歩道橋の上でようやく友達に追いつき。ケンゾウ・タンゲの出世作が姿を現す。そして。