つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

蹴りたい背中

 女受けする男性の本と男受けする女性の本は評価が高い、という先入観がある。先入観が正しければ直観と呼ばれるわけだけど。前者はベストセラーになる。面白いからだ。後者は賞を取る。ためになりそうだからだ。まあ賞とベストセラー化はある程度は同時に起こるにしてもだ。
 読んでいたのは文藝春秋なので「蛇にピアス」の後は「蹴りたい背中」に続くわけですが。自分が見つめているものを見つめてほしい、という思いと自分を見つめてほしい、という思いのどちらが強いんだ?という問いをまた自分の中で再燃させてみる。すごく緻密なのに日本語がふにゃふにゃしていて面白い。何だかけなしているようだけど、いや本当に。年寄りは出てこない。少なくとも大人が見た年寄りはいない。おとこのこみたいな考え方をするおんなのこの話。おんなのこだけど。