つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ナイルの一滴

 「知らない所に行きたいな … 嘘だよ本当はね」
 デビューシングル「てろてろ」をタワーレコードで試聴してから矢野絢子が気になっていて、買ってしまいたい衝動に駆られつつも結局買ったのは2ndシングルの「夕闇」だった。そういう逃げを打つことがときどきある。
 付録のDVDに「てろてろ」は入っていてそれはそれでよかったものの当然iPodでは携帯できない。DVDばかり繰り返して聴くと矢野絢子がすっかり好きになっていて、アルバムは発売日に買うことになった。
 22時には「闇の現」を聴きながら鴨川のへりを歩いている。盆地の京都は夜が暗く、ささやかな街灯とたまに通る車と小さなレストランでの結婚パーティが唯一の光のようであるらしい。
 小雨。耳の中でピアノが乱れ響く。「やみのうつつゆめのうつしえそれがしんじつ … みたいものだけみればいいさ そのかわりめをそらすな!」