つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

お縫い子テルミー

 今回の候補作である「オテル・モル」に比べるとこっちの方が良かった、と選考委員は言いたい放題。でも僕にとっては知らない作家の本。文藝春秋を読み終わったあとに気付く。あれ、栗原有起って人の本を昨日買わなかったか?
 ちょっと立ち読みして文章が好きなら本を買ってしまう。文章がきれいなのにストーリーがよくないということはあまりない。というか文章がきれいならそれで満足。そんなわけで買った「お縫い子テルミー」。読み終わって作者が長崎出身であることに気付く。長崎最高。でも福山雅治はあまり好きでない僕。
 疾走するラブストーリー。テルミーの恋するシナイちゃんの台詞一つ一つにときめく。純文学でもジュブナイルでもキャラが立っている事は重要だ。というかそれに限らず言葉が澄みすぎるよ。きれいな歌よりも目が細かくて速い。東京ってこんなに澄んでたっけ。