つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

諏訪市と書いてすあし

 タバコを吸っているうちに上諏訪駅に着いた。向かいのホームに足湯がある。靴を脱いで、靴下を脱いで、足湯につかる。あたたかい。眠くなる。快楽を眠気として感じる身体なのかもしれないとか思う。
 たくさんの寄せ書きが記されたエビアンを5年ぶりに開封する。鼻を近づけても特に匂いはしない。勇気を出して、キャップに水を注ぎ一口飲む。ん。温泉の水の味がする。少し黴臭い。足湯のお湯と飲み比べてみる。うん。確かに5年前の水は黴臭い。
 傍から見ている分には日本酒か何か一杯やっているようにしか見えないだろう。まさか5年前の風呂の水を飲んでいるとは誰も思わないだろう。でも僕たちがやっていることはそういうことで、しかも僕は次の瞬間エビアンのボトルを逆さまにする。灰は灰へ。塵は塵へ。風呂の水は風呂へ。帰れ。