つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

さようなら

 上司の最終日。ものすごく忙しい。人事発令を確認したし、異動のあいさつも聞いたが、それ以上のことをしている暇がない。上司はやることがなくて暇そうにしている。遣る瀬無いだろうなと思う。僕からの指示待ちではなくて、自分で勝手に仕事をこなしてしまえば早いだろうに。
 20時近くなっていよいよ上司が帰りかけたので、サイレントに指示を出す。同僚が立ち上がって、箱に入ったケーキのようなブーケを渡した。後輩からは上司の似顔絵とメッセージを。みんな口々に言葉をかける。上司の目から、異動のあいさつのときには出なかった涙がこぼれた。泣かして喜んでもしょうがないんだけど、でも泣いてくれてよかった。