つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ホテルニューオータニ

 ニューオータニほど歩いていて楽しいホテルも少ない。自分が何階にいるのかもわからない。突然ショッピングモールがあるし、突然優雅なカフェが現れる。ロビーにたどりつくことさえ難しい。というより、正直何がロビーなのかもわからない。広くて豪華な迷宮。一度宿泊客になって、夜のこの建物を思う存分うろつきたいと思う。
 今日は高校時代の恩師の還暦祝い。長崎の恩師の還暦祝いをわざわざ東京、しかもニューオータニで。早めに来て会場の準備をしていた僕たちの前に笑顔で登場したのは総料理長。予想通り主催者の知人。
 参加者への引き出物は、まずハンカチ。次に本。本には恩師が深く帰依している京都の名刹の和尚のサインが、一冊一冊に入っている。次にカステラ。長崎の福砂屋本店に注文したもの。最後に紅白饅頭。これは長崎の名刹で、清めの水をかけてもらったもの。
 僕はそれらの引き出物を袋詰めする係。これくらいのポジショニングって本当に楽しい。しかしこの世って、払うもの払えば何でもできるんだね。