つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

森山新宿荒木展

 初めて足を踏み入れる新宿オペラシティの、初めて足を踏み入れるギャラリー。壁いっぱいに写真。写真。新宿の。女の。古い街の。新しい街の。いや、新しくはないか。
 写真から伝わってくる臭いは、おそらくリアルな街の臭い。埃と生ゴミと室外機の温風と水分が入り混じった臭い。写真から伝わってくる匂いは、おそらくリアルな女の匂い。汗とファンデーションと脂と色気が混じり合った匂い。伝わってくる白さは、おそらくリアルな希望の白さ。再開発される街、豊かになっていく暮らし、仮に悲劇が起こっても当事者以外は前を向いていられる時代。なんとなくわかる。懐かしい。本当に嫌いだった。
 現代に生まれてよかったといつも思っている。子供の頃の世界は悪趣味にあふれていたけれど、大きくなるにつれてだんだん悪趣味には見えなくなってきたからだ。15年前に生まれていたら、25歳の僕はとんでもなく不快な思いをしながら日々を送っていたことだろう。それともこの感覚は100%時代の影響によるものなのでしょうか。あるいは大人になれば一律に不快なことが減っていくのでしょうか。
 ミュージアムショップで「インターナショナル・クライン・ブルー」という塗料を見つけた。イブ・クラインの青。SPANK HAPPYの同名の曲には元ネタがあったということなんですね。その曲聴いたことないけれど。