つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

矢野絢子ライブツアー2004 ひやいひやい

 会場の表参道FABは見つかりにくかった。ライブは初めから見たいに決まっているのに時間ぎりぎりになっても見つからず、一人で勝手にすねてもう帰ろうかと思っていたらひょいと見つかった。慌てて中に入り、チケットを切ってもらい、ジンジャーエールを注文。
 矢野さんは普通に登場して1曲目は「氷の世界」。井上陽水のカバーであることは知識として知っていたものの、あまりにも烈しく澄んでいてわからない。「窓の外ではリンゴ売り、声をからしてリンゴ売り」「人を傷つけたいな、誰か傷つけたいな」。陽水が歌うと感傷的で、冷たいと言っても脂肪のように柔らかさや温かさがあり、それが逆に怖ろしくはある。でも矢野絢子の歌声は氷の世界そのものだった。骨は冷たく、指に霜、視界は深い青一色。そんな錯覚を覚える。「吹雪!吹雪!氷の世界!」