つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

メルカプトベンゾアゾール

 喉がいつまで経っても腫れたまま。マスクをして寝てみたけれど、やはり振り払ってしまっていた。どこに行ったのかわからないマスクを探す。頭がぼうっとする。
 衛生管理者の勉強で何が嫌かというと生理学が気持ち悪いこと。病気とかじゃなくて人体そのものが苦手。開放性骨折とか網膜炎とか肺線維症とかの描写は平気なのに、横隔膜で肺を動かしたり静脈に弁があったりというような一文が顔をしかめさせる。
 中でも最悪なのはガラス棒で血液をかき回すと繊維状になって絡み付いてくるアイツ。その説明を高校の教師から聞かされている間僕の手は震えっぱなしだった。それがフィブリノーゲン。その単語を見た瞬間、献血の針を抜かれる時の感覚から快感を差し引いたような感覚に襲われる。手がー。
 まだ頭がふらふらする。マスクは見つからない。言語中枢がおかしくなると言葉を聞くことはできるのに意味を取れなくなる。いつかそうなる。本格的に。