つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

初めての朝

 池の近くの家に越してきたときもそうだった。冷たい空気と高い天井。初めて僕が目を覚ましたときのことを思い出す。越してきたばかりの県営アパートの4階。畳の床とタオルケット。あるのかないのかも覚束なく、下手するとそのまま消えてしまいそうな自分の意思。でも確かにその力で、僕は目を開ける。
 床にマットレスがあるということは、つまり部屋にベッドが2個置かれているようなものだ。当然周りは荷物が密集している。もし地震が来たら。僕の骨格なんて紙みたいなものだろう。苦笑するしかない。でも今日は少し暖かい。