つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ミスドと女子高生と過去の幻影

 ミスタードーナツに寄る。このミスドに高校時代によく行っていたと聞いた。もう夜も遅いが、女子高生が多い。営業時間は深夜1時まで。普通に便利だ。
 モスバーガーもあった。こちらは0時までの営業。コンビニもたくさんあるし、独身男性1人なら十分生活していけそうだ。
 街中を歩き回って写真を撮ろうとしたが、カメラが動かない。気温が低すぎるためらしい。ホテルに戻ると、動くようになった。

魚拓のある店

 東京から赴任しているマネージャーが、夜は飲みに連れてってくれた。せんべい汁がおいしい。せんべいを鍋に入れるとかフジツボを食べるとか昔聞いたことがあって、どんな世界だとそのときは思ったものだが、これも先入観か。
 鍋用のせんべいは、澄んだスープを吸って、もちもちした感触。フジツボは体験できなかったが。
 キリンレモンを注文した。久しぶりに飲んだキリンレモンはすごくおいしくて、何杯もおかわりしてしまった。
 食後にお茶を頼んだら、えらく時間がかかった末、家庭用のものっぽい急須と茶碗が出てきた。それもご愛嬌。

先入観の崩壊体験

 出張の目的は、本社の業務を八戸の事務センターに移管すること。わたしは引継ぎ係。
 何人かは以前本社に研修に来ていたこともあるので顔は知っているし作業を手伝ってもらったこともあるが、一緒に仕事をするというレベルでは初めて。
 わたしにも先入観があったことに気づく。八戸の人は、東京の人よりスキルが低い印象を、勝手にもっていた。
 確かに学歴なんかを取ってみると、新卒とかとは全然違う人が多い。中途入社の人と比べたとしても、結構そうだ。同じ中途でも、東京の大きな会社の就業経験の方が、何となく信頼できるような気がする。
 これらが先入観であることを、身をもって実感した。とにかく飲み込みが早い。作業も正確である。私も新人研修のときに、営業系のマネージャーに飲み込みが早いと言われて無邪気に喜んだものだったが、果たしてこの人たちほどに飲み込みが早かったかどうか。笑顔も素敵な人たちだし、仕事をしていて楽しい。

東京は良い天気

 新幹線に乗って、八戸にやってきた。
 盛岡駅では「13号車と14号車のドアが凍み付きまして開かない状態になっております」というアナウンスが流れた。ドアが開かないというのもすごいが、凍み付く、という表現もなかなか聞き慣れない。
 何にせよ無事に八戸駅には着いた。八戸線に乗り換える。
 東京は良い天気で、昼間は六本木の辺りを自転車で走り回っていた。それが今、八戸にいるというのが、不思議でならない。
 本八戸駅を降りると、薄く氷が張ったように積もった雪のはるか上に、月が光っていた。気温はマイナス8度。とても美しい。しかし過ごしやすさとトレードオフな美しさではある。
 タクシーの運転手にホテルの場所を聞いたが、訛りがすごくてなかなか聞き取れない。何とか駅の反対側の出口から出ればいいことを理解して、ホテルに向かって坂を上る。アイスバーンなので普通の革靴にはつらい。場所によってはすべって登れず、スキーでやるように横歩きをして登る。

冴え渡る月

 そんな情報をメールで得ながら、青山通りを歩く。結局終電はなかった。ちょっと寒いが、本当に月がきれい
 昨日、初めて出張することが決まった。行き先は青森県八戸市。日本には多くの地方自治体がある。なのに、県庁所在地でもない八戸市が初の出張先というのは、因縁を感じずにはいられない。
 メールで八戸の話を聞く。観光地はウミネコの繁殖地と果てしなく打ちっぱなしができるテニスコートくらいしかないらしい。ブックオフも撤退した地らしい。昔聞いた色々な話と総合すると、あまり楽しげな土地ではない。聞く相手が悪いのかもしれないが。
 日比谷公園のあたりまでずっとメールを続ける。風呂に入って温まるんだよ、と気遣われる。月はまだ出ている。