つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

交錯

 「昨日の話、いろいろと考えてみたんですけれど」席についたわずかな時間に、小さな声で通りかかった人に話す。
 「そのとおり、友達の話じゃないんですよ」と明るい声。
 気が済むまでちゃんと言ったほうがいいと思います、とは僕の答え。
 不毛だ。でも二次会では、熟睡した結構えらい人を尻目におおはしゃぎ。写真を撮ったり撮られたり。「一緒に映ろう」と無邪気に言う人がいる。断らないけれど、困る。写真に撮られるのは苦手なんです、とはもちろん言わない。それが理由でもないことに自分でも気付きそうになっている。だから考えない。
 明日からマラソン大会なので、三次会からは逃げ出した。午前二時の日比谷通りを歩いて帰る。電灯の光が冷たい。
 涼しい空気が、さっきまでの暖かさを胸にしまわせる。