つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

日が落ちて暗くなるまで

 家に帰ってきた。一度うちに来たい、と行っていた人を迎えるために一応部屋を掃除する。
 三人で食べた焼肉の味をもう思い出せない。焼肉の時点で、先輩が辞めることは知っていた。でもこの人が異動することは知らなかった。
 一段落して自分用のビーフシチューを仕込んでいたら、仕事で遅くなりそうで来れませんという連絡。やはり抵抗があるのかな、と思って「遅くなっても平気ですよ」とメール。結果的にそれほど遅くはならなかった。一時間くらい後には迎えに出る。
 本や社長についておしゃべりしてから駅まで送る。何かを話していないことだけはわかっていて、ちょっとした沈黙。そして息を吸い込む音。「私の友達の話なんですけど」。
 僕は軽く驚いてみせ、黙って聞いて、アドバイスをする。アドバイスの一つ一つは無力でも。