つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

吉祥寺にて紅茶を買いつつ

 さねよしいさ子のライブに行ってきた。そんなのがあることを知ったばかりで行くか行くまいか散々迷い、当日ふらっと行ったら会場は大混雑。大きなハコでもないしそりゃそうか、と苦笑しつつ行列に並ぶ。
 自分で初めて買ったCDが「マルコじいさん」という美点を持つ僕。明るくのどかで破滅的な歌詞の数々に魅了された中学時代。まさか今頃になってさねよしいさ子ご本人を目のあたりにすることがあるとは思わなかった。黒のエナメルのミニスカートだ。コーヒーをすすりつつ、生の「いとこと二人で」を聴く。
 アルバムもかつては大体全部持っていたけれど、最近の曲はもう知らない。知らない曲をずっと聴いていると、だんだん気持ちが暗くなってきて次第に鬱のかたちを取った。発作っていう人がいるけれどこんな感じなのかな。行動すべきとき、判断すべきときに何もできなかった記憶が次々と浮かんできて振り払えない。僕が出張っても足手まといになる、という判断はわれながら冷静で正確だった。そうは思うけれど、辺りは暗くなっていくし立ち続けるのも大変だ。
 ライブ会場を出て、自分が歩けることに安心した。忘れた傘を取りに戻ることもできる。