つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

エコール・クリオロ

 雨が降ってきたので移動は電車。一日乗車券を買った。買った以上は有効に利用しなくては。クリーニングを出しに行くだけではもったいない。普段自転車で行かないようなところ、取り立てて行く気が起きないところといえば?
 アスファルトの上に降る雨。遠くの街灯が、路面の艶やかな黒さを引き立てる。ここは要町。すでに半分迷子。千川駅徒歩3分のエコール・クリオロを探し当てるのに10分以上かかる。
 閉店時間も近くて、客は女性1名と子供1名。そんな中、ショーケースから焼き菓子の棚まで眺め回したあげくケーキ3個とショコラを1個注文する男が1名。えーと、飲み物はコーヒーで。
 店名からしてチョコレート豆だけあって、本当にチョコレートがおいしい。特によかったのがまんまるなボンブ。球形のケーキをコーティングしてあるチョコは少し厚めでパリパリしている。アイスバーとかだとよくあるけれどケーキでは珍しい。中のムースもオレンジとチョコで奥の深い味。食べていて楽しい。無言で、でもたぶん嬉しそうに食べ続ける。
 「お客様、大丈夫ですか?」と店員に声をかけられた。おそるおそる。へ、とふと我に返ると客は僕一人。たぶんお味はいかがですかという意味だ、それしかあり得ないと解釈。
 ナプキンで口を拭いつつ「おいしいです」と回答。大丈夫じゃないかもしれませんが。