つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

間宮兄弟とホテルカクタス

 扇風機の前に座り込み、冷えたプーアール茶をすすりながら本を読む。風鈴の音が聞こえてきそうだねえ、とすっかりくつろぎモード。
 「間宮兄弟」。ちょっとやさぐれた人たちが、兄弟の前でいいひとになっちゃうのがとてもいい。実はいいひとでした、というよくある話ではなく、たまたま兄弟の前でいいひと的な面が出ちゃった、という感じで嫌味がない。違う作家の人物造形を二つ繋げたみたいだ。高村薫北村薫とか。言い過ぎか。
 「ホテルカクタス」。ホテルについての話を読んだときにイメージを喚起しやすくなった、という1点についてだけでも「ホテル・ビーナス」を観た甲斐はあったと今更思う。もっともカクタスは、ホテルというよりはアパートだけど。
 「帽子」と「きゅうり」と数字の「2」。大人の童話。単純化された性格の間にある喜びや悲しみややり切れなさが胸を打つ。
 読んでいる途中で別の後輩が遊びに来たけれど、ずっと読書。読むだけ読んだら、桃とナスときゅうりと米をORBISの箱に詰めたものをもらって帰る。完全におばあちゃんの家だ。
 今月はよく本を読んだ。活字の本で約30冊。漫画も20冊くらい。家に帰ってたまごかけご飯を食べる。これもおばあちゃんの家の味。

間宮兄弟

間宮兄弟

ホテルカクタス (集英社文庫)

ホテルカクタス (集英社文庫)