つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

モウセンゴケの話

 ちょうど昨日職場で食虫植物の話をしていた。僕が幼稚園の頃、隣町のスーパーの3階にあったこども図書館で借りていた本は3種類。1つはバーバパパ。1つは機関車トーマス。もう1つは食虫植物の図鑑。
 黒い蝿が、モウセンゴケの赤くて丸くて透明な粘液をつけた腺毛に捕われるさま。数日かけてゆっくりと消化されるさま。毛布の中に潜ってそのさまを想像しつつ、自分も溶けて死にたいなあ、と思っていた幼稚園の頃の僕。なんか気持ち良さそうだなあと。少なくとも痛くはなさそうだしさ。
 今となってはどんな睦言を聞かされて育ったのかと思うばかり。でも食虫植物が嫌いになったりはしないのだった。潔癖症と無縁の人生。