つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

送別会ではある

 今日は同期の送別会。彼がいた支店のメンバーで送別会。しかし僕は彼と同時期に支店にいたことはない。
 会場に着いたら誰も来ていなかった。予定の時間を過ぎても誰も来ない。限りなく部外者に近い僕は寂しくなって帰ろうと思った。靴を履いて外に出ようとしたら、第一陣が到着する。それも気まずい話ではある。
 異動になった懐かしい人たちが集まって送別会。カラオケを歌いながら脱ぐ人が多い。靴下一足だけを股間にぶらさげてデビルマンを熱唱する先輩を見ながら、相変わらず無茶苦茶な支店だなあと思う。でもこんなに脱ぐ人っていたっけ。かすかな疑問が頭をよぎった僕。その肩をやさしく叩く先輩がいた。「うちの全裸ブームの走りはpinだもんな」。
 あれは酔いつぶれた僕の口を開けて無理矢理焼酎を注ぎ込み、目を開けても何も見えず指一本すら動かせなくなった僕を引ん剥いたというだけの話であるような気がしますが。一緒にしないでほしいです。そう思ってから30分もしない内に下半身裸でASIAN KUNG-FU GENERATIONの「リライト」を熱唱する破目になっている僕。消してえー。リライトしてえー。
 しかし何で僕以外の同期は大人しいのとか今半裸の僕に馬乗りにされている男って別れた彼女の向かいの席に座ってるんだよなあとか様々な思いが頭をよぎる。「ペガサス幻想」も歌い終わり、もはや力なく笑うだけのカスになった僕に、名刺を差し出す人がいた。
 さっきまで全裸になっていた先輩。「お前は見所がある」。この人とも同時期に支店にいたことはない。そうですか。嬉しいです。でもその名刺、さっきデビルカッターと叫びながら店内にばらまいてませんでした?
 家に帰る途中、飲み会が嫌で辞めた人が本当にいたという話を聞いた。大爆笑したが、僕が笑っていいのだろうか。