つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

梅丘 寿司の美登利

 並んでいたら先輩にこの店を紹介したマネージャーが若い衆を引き連れて登場。紹介してもらったばかりの店を紹介したところを見られると恥ずかしい、と爆笑しながら恥ずかしがる先輩。でもあのマネージャーも先週来たばかりですよね。
 カウンター席に三人で座る。ほんのちょっとだけ焼酎をなめ、まずはアンキモをつまむ。色黒で大きいおっちゃんが、カウンターなら板前においしいものを聞いたほうがいいよと言った。そうします。
 光物なら何がいいですかとおっちゃんに聞いたらサバを握ってくれる。笹の上に置かれたサバ。口の中でとろけた。って今食べたのサバですよね。今言ったのサバの感想じゃないですよね。ぽかーん。
 ウニご飯を食べた同僚は目と口が開きっぱなしになっている。炙りはどうですかと聞いたら出て来たのは縁側の炙り。ものすごい脂。食べる。またとろけた。縁側ってもっとさっぱりというか、歯ごたえがどうとかそういうものじゃないんですか。じゃないんですね。うまいよおっちゃん。と笹を見たら、切り口もみずみずしい瓜と小指くらいの胡瓜が置かれていた。かじると冷たい水分が口を洗い流す。おっちゃん。細かいよ。惚れそうだ。
 トリ貝は唇に触れた瞬間に溶けたのでもうダメだと思った。今のはキスですか。なんでトリ貝がとろける。みずみずしければ何でもとろけるのか。先輩と僕はエキサイトし、ずっと包丁捌きに見入っている同僚は何々を食べますかと聞いたときに「食べたーい!」と答えるだけ。完全にグルメマンガの審査員と化している僕たち。
 サービスの味噌汁にはのりがどんと入って香り高い。気がつくと後ろの席にマネージャーたちが。食べるのに夢中で全然気付かなかった。一時間以上気付かなかったことになりますね。まあおいしいものを食べた後で特に言うこともないんですけど。えっと。そういえば最近急に老けましたね?