つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

電話

 毎日電話が鳴るのは珍しい。木曜は友人からで、今度東京に越してきた友人一家の家に一緒に遊びに行こうという話。金曜は父からで、何の用かと聞いたら「声が聞きたくてさ」。顔でも赤らめてやればいいのだろうかと思った。どのみち電話じゃわからないのだろうけれど。
 今日は電話が2回。根津のスーパーで豚ロースと万能ネギをカゴに入れてうろうろしていたら携帯が鳴る。友人からで、ゴールデンウィーク中に僕の家の近所に越してくる予定とのこと。大分前にそういう話をしたが、いつの間にそんな具体的な話になっていたのかと驚く。ところで近所にスーパーはある?と質問される。今スーパーにいるけれど全然近所じゃないよと回答。
 スーパーの中で携帯で話し込むのは迷惑なことだ。しかし電話を切ったらまた電話。会社の先輩で、昨日マネージャーにという話があったとのこと。それはおめでとうございますで済むかと思ったら「後任お前やって」。
 嫌がってみた。でも今の仕事に執着する理由があるとしたら上司と同僚の存在しかない。僕の担当業務はこの一年で整備したから誰でもできるだろうし、身につくスキルも社内的には便利だろうけれど市場的には価値は無い。
 上司を飛び越えてゼネラルマネージャーが決裁されること。僕に選択権はない。でも揺れた。思った以上に。
 家に帰って豚肉をゆっくり焼く。ようやくちゃんと焼けるようになった気がする。