つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

広尾

 神田で猫の写真を撮って遊んでいても埒が明くわけもないのでティーポットを買いに広尾へ行った。道に迷って広尾を通過したことはあるけれど、目的地にしたことはない。有栖川宮記念公園は別として。
 麻布から広尾への道は家や店がごちゃごちゃしていてよい。郊外のように駅前に取ってつけましたという感じの商店街もそれはそれでいいのだけれど、古い街の商店街はライト&リライトの歴史が垣間見えるようで面白い。広尾界隈はやたらと緑も多くて素敵だ。流行の店も昔は豆腐屋だったり畳屋だったりするんだろうなと考えていると時間が経つのも早い。日は延びているはずなのに。
 行き先は「茶の愉」。お茶好きには有名な店であるけれど僕は初めて行く。店内を見るとルイボスティーブレンドが多かった。いわゆる茶の木以外から作ったお茶やブレンド茶についてはまるで無知なので、店員さんが親切に寄ってきてくれたのをいいことに質問攻め。店員さんに寄って来られると緊張するので嫌なのだけどこういうときは寄ってほしいと思う。何事も都合がいいのが一番です。
 ティーポットの解説も丁寧にしてくれたが、一番面白かったのは急須だった。湯切れのいい注ぎ口。傾けても落ちにくい蓋。茶葉が詰まりにくいよう内側に丸く飛び出した茶漉し。そして茶葉をかきだしやすいように一部薄くなった縁。縁が一部薄くなっていることから三日月と命名されたとのこと。すごい。ここまで考えているデイリーユースの茶器は滅多にない。
 結局ガラスのティーポットを買う。ついでにティーバッグのセットも買ってしまう。ティーバッグは1パックずつ包装されており使い方も簡単、保存も利くのでとても便利だ。ときどきティーバッグは手紙に同封するために発明されたのではないかと思うことがある。
 テオブロマのカフェもあった。今度来たら行ってみよう。