つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

Jewel Of Kiss

 結婚式場まで親に車で送ってもらう。世間話をしていると何となく長崎の情勢がわかってきたような気がした。県下の有力者ってそんなに数は多くないのかもしれない。
 結婚式場に足を踏み入れると懐かしい人々がいた。2週間前に会ったばかりの人ばかりかと思えば全然そんなことはない。7年ぶりか。一緒に過ごした期間より長い時間。
 結婚式から出席。披露宴ならともかく結婚式は15年ぶりくらいなので見ている方も緊張あする。でも外人の神父はとても面白かった。笑わせてもくれるし締めるところは締めてくれる。サービス業の鑑だと思う。しかし神父さん、なぜあなたは日本に?
 友人はかっこよかった。無茶苦茶緊張していてキレる一歩前のような顔になっていたがそれも含めてかっこいい。
 披露宴は更にすごかった。巨大なバルーンに式の前半を映し出す演出や、そのバルーンが割れて新郎新婦が登場する演出。最近の結婚式はすごいなと改めて思う。しかし本当にすごいのは演出ではなく中身であって、プロのサックスプレイヤーである新郎兄がBGMを演奏していたのにも驚嘆したが、曲がツイストになった途端新郎父母が踊り出したのには目を剥いた。相次いで踊り出す新郎の親戚一同。踊らざるを得なくなってステージに引っ張り出される新郎新婦。僕たちは手を叩いて面白がったが、新婦の親戚のドン引きっぷりは若干気の毒であった。あなたの一族の娘が結婚した男の父は、運転中にヤクザに抜かれて「若造が調子に乗りやがって」と吼えたと思った途端、路面電車のレールの上を時速110キロで走って抜きにかかるような方*1です。
 でも一番印象に残ったのは友人代表スピーチだった。何を言ったのははっきりと覚えていないけれど、あれほどまでに聞かせるスピーチを今まで聞いたことはない。友人代表は年齢は2歳上で見た目はそれ以上に老けている。でも同級生。声の張りとか抑揚とかの問題だけではない。ここまで友人のためにスピーチを考え抜くことができるのか。ものすごく笑った上に泣きそうになった。友人とは、一体、何だ?

*1:僕は助手席に乗せてもらっていて一言「ボルボ路面電車ならこのボルボの方が勝つと思いますけど、でも僕は死にますよね?」