つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

「2分で渋谷に着け」

 銀座のおしゃれな店で送別会。なぜズラやリボンやタスキが用意してあるのかよくわからないが、もっと根本的によくわからないので別にいいと思った。僕は半分くらい寝ている。一杯目からすでに飲みすぎている。
 二次会ということでタクシーに女性3人を詰め込み僕は助手席に。みんなで運転手に絡み、どこの支店長がかっこいいだ結婚したいだで盛り上がりながらタバコを吸い、僕は助手席で苦笑しっぱなし。
 渋谷駅の近くで降りるとみんな言い出し、運転手がドアを開けるとバイクが飛んでいった。ドアがバイクに命中。一瞬の沈黙。取り返しがつく世界が取り返しがつかない世界に切り替わるこの耐え難い瞬間。
 ライダーは無事らしいがタクシーの運転手が気の毒。ドアの機能が止まっているらしいので生まれて初めてタクシーの窓から外に出る。御代はいらないと言い張るタクシーの運転手にむりやり代金を渡し、渋谷までの坂をとぼとぼ下りる。