つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ニート

 遅刻するというメールが入った。しばらく待っていたら更に遅れるというメールが入った。そろそろいいだろうと思って電車に乗る。電車の中では「ニート」を読んだ。後半部は中学生の職場体験がいかにニート対策に有効か(と思われるか)という話でありそれはそれで面白く読みつつ何か違うと思った。しかし富山県兵庫県と並び職場体験実施率100%なのは怖ろしい。ただでさえ教育熱心な上に連続児童殺傷事件で地域社会に危機感が根付いた兵庫県の事情はわかるが、富山県は一体何なのだろう。以前富山県砺波市が東京都千代田区中央区・港区・渋谷区が並ぶ有力自治体ランキング上位5位に食い込んだことといい、原宿での富山名産チューリップ祭のフィーバーっぷりといい、存在感が薄い割に*1……いや薄いからこそ底知れぬものがある。
 ニートの多くは働かないのではなく、働きたいのに動き出せない状況下にある。その要因は様々であり、はっきりと特定できない。それでも単なる怠惰や甘えが働かない原因だと割り切ろうとする言説を掣肘するのには十分だし、データを見るに具体策といっても早い段階でのセーフティネット作りが必要と思われる、くらいのことしか言いようがない。ああ。考えれば考えるほど深みにはまる。「怠惰や甘えが〜」っていう議論は他の話題でもよく聞くキーワードではなかったか。何で同じ議論が繰り返される仕組みなのか。「やる気を出させる」とか「必要としてあげる」とかの矛盾が気持ち悪い。
 ドアが閉まって、乗換駅で降り損ねたことに気付いた。ごめん10分遅刻します。

*1:以前存在感の薄さを逆手に取った広告を出した。