つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ディナー

 手紙も届くしメールも届く。僕はといえば戸惑っている。年を取るのは嫌だという思いがある一方で、望外に長生きできたことへの喜びもなくはない。全然向いていない部署の管理職として大抜擢されてしまったような気分。喜んでいなくはないが途方に暮れているし、途方に暮れつつも全く期待がないわけでもない。
 だって25年前のマンションはそろそろ建て替えだろ? 25年前の缶詰を食べたいと思う? 子供の頃はずっとそう思っていて、20年以上生きるなんてありえないことのように思えていた。ああもちろん世間の人は別だよ。だって日本人の平均寿命は80歳近いんだから。そんな子供時代。
 それに小学校に入る前に読んでしまったノストラダムス本の影響もきっとある。ノストラダムスの言説が出て来た背景はちゃんと押さえて相対化したのに、肝心の破滅感だけは残っていた。1999年でちょうど20歳。それ以降は全部余生。死にたくはないけど少し長すぎるよねと言いながら、ああ5年経ったのか。