つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

馬キック

 渋谷に着く頃にはお腹が減っている。間の悪いことにラーメンを食べたくなる僕ら二人。ちとせ会館の麺食王国。まさかいないだろうと思っていたら余裕でデート中の会社の人を発見。絶句する。いや一瞬顔を見ただけだから人違いかも、と思い直すものの店外まで響く聞き覚えのある声。頭を抱える僕たち。これじゃただのストーカーじゃんよ。と言って青ざめる。女性率8割の職場でストーカー扱いされることの危険性がわからない年でもない。
 というわけでお目当てのラーメン屋には入れず、別のラーメン屋に入る。さっさと食って出よう、と思う。でもラーメンが全然出てこない。なんで15分とかかかる、と憤っているうちに会社の人が店を出る。ああよかった、と思っていたらトイレに行っただけだった。僕は見ていないけれど会社の人は彼氏としゃべりながらこちらを指差して去ったらしい。こちらは彼氏の顔を見ていないのに。丸損だ。
 僕たちは本当にストーカーじゃない。なぜなら3時間後、もう一度お目当ての店に行ってラーメンを食べたからだ。たぶん初めてです、1日2杯ラーメンを食べたのは…。