つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

雨と横

 定時ぴったりに会社を出る。約半数が「もう帰るの!?」という眼で僕を見る。残りは気付きすらしない。
 久しぶりに地下鉄に乗り、半蔵門駅で降りて歩く。雨はあまりひどくないが、風が結構強い。結構というか相当強い。昔生まれ変わるとしたらどんな抽象概念がいいか?というおそろしく形而上的な話題で盛り上がったことがあった。もし天気に生まれ変わった知人がいるなら、僕は直ちに抗議の電話を入れるだろう。僕が天気に生まれ変わっていたならば、タコ殴りにされた上にいろんな写真をネットにアップされるだろう。そんな天気だ。北風と太陽ごっこですかねえ。などとぼやいていると、傘の骨を粉砕されそうになる。
 いろんなところから水をしたたらせながらオフィスに到着。ノートパソコンを持って会議場に行く。付属のACアダプタはノートパソコンにつながらない。ふと携帯電話が鳴っているのに気付く。今度は何だ、と思って取ると訃報だった。