つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

思い出深い五つの休日

 夏仕様にしてみました。
 幼稚園の頃。ふとんの冷たい部分を求めて転がりながら、レースのカーテンの模様が揺らぐのをずっと見ていた。
 小学校の頃。民宿に泊まった。場所は火山の近く。溶岩が流れてくる夢ばかりを見て眠れなかった。とても怖かった。眠っている家族が死んでしまうような気がして、あるいはすでに死んでいるような気がして。
 中学校の頃。街に遊びに行った。ミスタードーナツで当時最先端の飲茶を食べ、本屋を巡り、古本屋も巡り、デパートの屋上で200円のハヤシライスを食べ、文房具屋をチェックし、ウォータークーラーで水分を補給し、UFOキャッチャーをひたすらやっていた。100円以上金が残ることはなかった。
 高校生の頃。長崎の伊王島というリゾートに1泊旅行をした。とてもいい天気。プールで男子、女子、引率の親父さんの別なく取っ組み合い、ぶん投げ、水をかけあった。これが自分にとっての正しいプールの遊び方になった。けどたぶん二度と出来ない。その日はとても気持ちよく眠くなった。ベッドカバーがすべすべだった。
 二十歳の少し前。夏。昼を過ぎてもずっと裸のまま寝ていた。大人になった後のこと、すなわち世界が滅ばなかったときのことを全く考えていなかったことに気づいてぼうっとしていた。