つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

阿佐ヶ谷

 「bagle」でドライトマトクリームチーズを挟んだクルミベーグルを買う。歩き続けると「大田屋」「希須林 小澤」「炭火台所 鶏丸」。「愛がなくても喰ってゆけます。」に登場した店がこんなに集中しているとは、と驚く。よしながふみさんは本当にこのへんに住んでいるらしい。ぽかんとしていると、あれが「西洋骨董洋菓子店」のモデルになった店ですよ、と事も無さげに指差される。
 高い高いヒノキの大通り。一歩内側に入ると、青くてきれいな花が咲く家や、変だけと料理はおいしそうな居酒屋。猫だらけの一角。朽ち果てた家。ねじめ正一の実家。今日カメラを忘れたことを後悔する。
 生活も便利だしケーキ屋も多い。裏路地の木造家屋、ガラスの木戸、線路のような大きめの砂利、消火器の赤。僕にとってはディズニーランドのように見える。阿佐ヶ谷にはちょくちょく来ていたのにまるで知らないことばかり。やはり一度住民と一緒に歩いてみるものだ。え、さっきの猫だらけの一角が先輩の家だったんですか?