つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

SATURDAY NIGHT FEVER

 私って気分の浮き沈みが激しいんです、と言う人がいる。僕はつい最近まで言わなかった。自覚が無かったから。思春期の子供ですらできることができないわたし。
 眠いときは本当に気分をコントロールしきれないが、今日眠い原因はSATURDAY NIGHT FEVERを見たからだ。世界の中心で愛を叫ぶ行為同様、引用・再引用をされ続けるタイトルとトラボルタの決めポーズ。見ておかないといけない気に襲われたのが1週間前の土曜日。見たのは昨日の深夜。超ストレート青春活劇に度肝を抜かれる。
 度肝を抜かれるまでには段階がある。まずトラボルタの足の長さと歩き方に惚れた。これまでの僕が好きな歩き方No.1はピアノ演奏を終えて退場するスタニスラフ・ブーニンのスタスタ歩きだったのに。人間何を好きになるか知れたものじゃない。
 ダンスはすごくかっこいい。今見ると洗練されていないのかもしれないけれど、少なくともかっこいいものであったという迫力が伝わってくる。それはタイトルからも予想されること。だからダンス目的で見た人はストーリーはあまり好きではないことが多いんじゃないかと思った。トラボルタの視線から描かれる日常。当然の前提としてあるゆえに自覚することすらない閉塞感。まなざしの先にあるものへのやさしさ。視界に入らないものへの残酷さ。必死な女の子を払いのけた1分後に好きな子にジョークを言えるのが現実で、だから笑えるし悲しい。
 通しで見た後、監督が語る制作秘話を見た。インタビューか何かだと思ったら、全編を通じた解説だった。監督の解説が自分の見方と一致してると嬉しかったし、新たな発見もすごくたくさんあった。これまた通しで見てしまう。
 友達、か。