つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

東京ジオサイトプロジェクト

 今日はいい天気。こんな日は地底に行こう。僕の人生はトンネル作りと関わる機会のない人生にすでになってしまっているけれど、トンネルを見るのが好きな人生になってはいる。自転車に乗って、虎ノ門へ。
 国土交通省のマークが入ったヘルメットをかぶる。頭がかゆい。そんなどうでもいいことを考えていたのは少しの間だけだった。螺旋階段を降りていくと地下に着く。コンクリートと機械と足場で作られた広大な空間。網状の床板と階段。貯水槽。シールドの刃はとても重かった。でもここはまだ地下10メートル。ラック式のエレベーターに乗り、さらに下に。
 立杭は巨大な円筒のようなもの。その蓋に穿たれた穴をエレベーターは下りていく。視界が広がり、はるか下にあったシールドマシンが近づいてくる。重量450トン。直径はジャンボジェットを1メートル上回る。十字の刃を取り付けた巨大な化け物。もはやエヴァンゲリオンの世界だった。息が出来ることが不思議なくらいだった。
 地上に戻ってくる。記念にもらったマーク入りの軍手をカバンにしまう。地上が明るいのは当たり前のことだったけれど、地上では風が吹いていることに驚いた。