つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

長いようで短いようで何も言えない

 2年間だった。あの日僕は歩道を歩いていた。あのときの会話はよく覚えている。「pinさん、一緒に住みませんか?」としか言われない。僕も「あ、いいよ」と言っただけ。ひどい会話だ。「あ」と言う0.5秒ほどの間に、僕の頭は高速回転していたのか。完璧に止まっていたのか。でも口にした後で、その言葉を取り消す気は一度も起きなかった。
 男の3人暮らしなんてちょっととんがった今時の若者がやることだと思っていた。自分はそうはなれないことを知りつつ、とんがった若者に憧れてもいた。3人暮らしをして何が起こったわけでもない。NHKロシア語会話に萌え、テレバイダーに感動し、近所のジョナサンでフォーレターワードオンリーに近い会話に興じ、動画を撮影できるデジカメでCDTVごっこをやり、飲み会をやり、当てこすり合い、CDを貸し合った。何気なく、愉快で、アホだった。結局デリヘルは呼ばずじまいだったけれど。