つらぬくような軽いいたみ

毎日は書くことができない日記

ミシン

 映画なんて一度見ればいい、DVDなんか買う人の気が知れない。そんな僕は、もちろんなぜ自分が「オペラ座の怪人」のDVDを買っているのかを理解できない。
 後輩、と呼ぶにも年が離れすぎている後輩たちが、100時間連続で読書をする企画を行っている。僕は冷やかしに行き、「オペラ座の怪人」を環境映像としながらひたすら本を読む。何度も後輩にテレビの音量を下げられる。
 石原莞爾の「最終戦争論」も初めて読んだ。ものすごく面白かった。重要な指摘も多々有るが、重要な指摘が溢れかえる現代においては瑣末な部分にばかり目がいってしまう。かなしいことだ。でもでも、温度イコール時間はまあいいとして、兵隊を死なないように温めたり冷やしたりして時間を跳躍させる、のは、ほんのちょっとだけ無理であるような気がするの。
 「マリア様が見てる」もちょっとだけ読んだ。読みやすいな。しかし問題は嶽本のばら。なんで登場人物がこんなに信念を持っているのだろう。信念だけがあるのだろう。
 信念こそが、全てを人間の意志の支配下におこうとすることこそが、美しい。そう感じた時期が僕にはあり、そう若者や思想家たちが感じた時代もあったのではないかと空想することもある。それはとても美しく、とても懐かしい。
 服を買いたくなった。まあ買わないと、すでに着るものはないのだけど。

ミシン

ミシン